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プロ野球 クライマックスシリーズ1stステージはイーグルスとベイスターズが初戦黒星ながらファイナルステージ進出

パリーグ 1stステージ 埼玉・所沢 メットライフドーム

 

第1戦 ライオンズ10-0イーグルス

第2戦 ライオンズ1-4イーグルス

第3戦 ライオンズ2-5イーグルス

 

セリーグ 1stステージ 兵庫・西宮 阪神甲子園球場

 

第1戦 タイガース2-0ベイスターズ

第2戦 タイガース6-13ベイスターズ

第3戦 タイガース1-6ベイスターズ

 

クライマックスシリーズ1stステージは両リーグ初の初戦黒星ながらイーグルスベイスターズがファイナルステージ進出を決めた。

 

イーグルスは第1戦。則本が浅村に2ランを打たれるなど4回7安打7失点で降板。その後青山が中村に3ランを打たれ10失点で大敗。打線も菊池雄に完封勝利を許し初戦はライオンズが制した。

 

第2戦は岸が初回から出来が良く、3回以降はストレートを高めで空振りを奪うシーンが増えライオンズ打線が手をつけられない状態までにするなど7月以降勝ちがつかなかった分をこの大舞台で発揮してくれたのが大きかった。

 

初回、茂木の初球先頭打者本塁打、2回には8番DHでスタメンの枡田が十亀との対戦成績が良かったので使われたが、貴重なレフトへの2点目のタイムリー、さらに嶋が1ストライク後にインコースのカーブを体制崩れながらもスクイズを決め3点目。この3点で岸を楽にさせたのが勝因になった。さらに7回に2アウトから茂木の内野安打から岡島が浅村の動きを見て4点のホームインを踏む好走塁で貴重な追加点を上げた。

 

岸は7回と3分の1回3安打無失点で約2ヶ月半ぶりの勝利。岸の後は高梨、福山、松井裕で逃げ切り1勝1敗のタイにした。

 

第3戦は初回に3四球からウィーラーがショートへの内野安打で先制。その裏、美馬が秋山に3ベースを打たれるも、源田を浅いレフトフライ、3番に上げた森と山川を連続三振にし無失点で凌いだのが大きい。

 

4回に先頭のウィーラーのセンター前ヒットで出塁。岡島が送りバントの後、枡田の打席で野上のストレートが炭谷の右足に当たり1塁方向にそれる。ところが炭谷自身は気づいていないためその隙をウィーラーが付き2点目。メジャーリーグも含めて四球よりもエラーの失点がいかに流れを変えるかが分かるシーンだった。

 

その後美馬は5回途中3安打1失点で降板、秋山のところで高梨が登板。1ストライク後、インコースとインローにツーシームを見せ球にした後2ストライク2ボールにスライダーで空振り三振に。秋山は首位打者最多安打の2冠を取った打者なだけに一筋縄ではなかったがインコースを使えたことがこの三振を生んだ。

 

今時の左投手は左打者にインコースを投げる投手が少ないため打者はアウトコースだけだと踏み込まれる。スライダー中心の攻めだった09年有銘、13年金刃との違いはまさにここだったと言うことだ。

 

6回に高梨が源田を四球にさせた後に、「秘密兵器」として登録された台湾代表のソンチャーホが登板。彼は大卒出身で台湾のドラフトを拒否しわざわざ海外挑戦を宣言するほどだから日本での活躍にかけていたと言うことだ。元々は先発だったがリリーフになってから成績を収められるようになり育成から支配化に昇格した。終盤になり結果を出せたとこでアマダーを押し出しCSのロースター登録になった。

 

代打のメヒア、山川、浅村の強打者を打ち取り無失点に抑えた。ストレートは150キロも出て、スライダーもいい曲がりをしているので来年までに精度を上げれば勝ちパターンも出来る逸材かもしれない。

 

7回にハーマンが登板、2アウト後、1、2塁のピンチで再び秋山のところで福山が登板。アウトローのフォークで空振り三振に再び凌いだ。

 

8回表2アウト後ウィーラーがシュリッターからレフトへのソロ本塁打で貴重な3点目をあげると、岡島四球後、枡田が再びレフトに軽く流したあたりがレフトに突き刺さる2ランでこの回3点をあげる。

 

枡田は第2戦から8番DHでスタメン出場した試合は全てレフトへのヒットだった。厳しいインコース攻めはやや苦手だがアウトコースの長打力はピカイチでハマれば本塁打もさせてしまう天性の持ち主でもある。反面、当たらない時は当たらないと言う弱点も抱えているが1stステージでシリーズ男になれたのでしばらくはスタメンで使われそうだ。

 

9回に松井裕が登板、浅村にソロ本塁打を打たれるもチェンジアップの精度が良かったので三振が取れた。最後は外崎をファーストゴロにし、1stステージを初戦黒星からの逆転で突破した。

 

このシリーズのMVPをあげるとしたら岸。先手を取られた後だっただけに初回の茂木の初球先頭打者本塁打など3点をプレゼントできたことで楽々投げられた。敢闘賞をあげるとしたら3連投した高梨、打者なら枡田になるだろう。

 

今思えば、7月の貯金31までは「史上最強チーム」だった。けが人が出始めてから直接対決に負けるなどで3位に転落したものの今回のシリーズで力あるチームだと言うことが証明されただけでも収穫になるだろう。

 

セリーグベイスターズがこちらも初戦を黒星ながら2連勝で2年連続でファイナルステージを決めた。その要因は打線で2番を梶谷にしたことだ。日本の野球だと初回から送りバントでノーアウト2塁だがメジャーリーグを見てもわかるようにヤンキースのジャッジ、ドジャースターナーなど2番に本塁打も打てる強打者を置くことで相手バッテリーにプレッシャーを与えることができストライクゾーンで勝負をしなければならなくなる。

 

送りバントをするならリードやここで1点だけが欲しい「終盤」にするべきで立ち上がりの不安が出やすい初回はむやみにするべきではないだろう。

 

第3戦がまさにそれで、負けたら終わりのゲームでも梶谷にヒッティングさせノーアウト1、2塁を作らせたことでタイガースの先発能見に動揺を与えた。案の定ロペスと嶺井のタイムリーで3点が入り1アウトで降板させたから日本もこのスタイルでいくべきだが、まだ関係者は「スモールベースボール」をするべきだと言う声が多いのが現状だ。

 

この攻撃が決まり、6得点を上げてベイスターズは2年連続でカープとファイナルステージで戦うことが決まった。

 

このシリーズのMVPはむしろ雨によるグランドコンディションの不良を整備させた阪神園芸になるだろう。第2戦は雨で中止になってしまうと引き分けのアドバンテージがあるタイガースが通過してしまうだけに両チームとの消化不良のシリーズになるところだった。

 

ローラーなどで水を吸い取り、土を大量投入するなどの処置が実り田んぼ状態でありながらなんとか成立させたことがベイスターズにとっては大きいかった。

 

さまざまなことが起こったファーストステージであったがホークスとカープが待ち受けるファイナルステージでは下克上の意地を見せるかそれともリーグ王者の底力を見せることができるかだろう。