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特別記事 高校野球の選抜大会と夏の選手権大会の中止に見る 高校野球連盟の全面的な改革をこの絶好なタイミングでやるべき理由は古い価値観を捨てること

春の選抜大会が3月11日,5月20日に夏の選手権大会の中止が決まり、過去に米騒動や戦争による理由だったが新型コロナウィルスの影響で戦後初の中止になった。

 

約15万人の高校球児たちの甲子園と言う夢の目標が立て続けに断たれてしまうどころか特に3年生は地方大会も含めて1試合も公式戦を行うこともなく引退という事実上の緊急事態どころか非常事態と宣言がなされた事になるだろう。

 

緊急事態宣言中は部活動の活動が止まっているどころか学校自体も肝心の授業も始まっていないと言う事だから高校野球連盟(高野連)の判断は妥当で、ましては高校総体に当たるインターハイも中止が決まっていただけに準備不足も含めて歩調を合わせた形になった。

 

せめて3年生だけでも必ず出させたいために一部で秋田県大阪府などが独自の大会を行おうと計画し始めているところが出始めている。

 

今回の件は高校球児にとっては残念どころでは済まない事態ではあるが、高野連は今までの悪い部分を取り除いた上で甲子園と言う存在意義とプロ野球や大学、社会人で活躍できるだけの育成意義や情報交換などを含めた組織改革に取り組むべきだろう。

 

①甲子園の意義

 

高校野球における大会は主に春のセンバツと夏の選手権、上位成績だと国民体育大会(国体)に出場でき、さらに新チームの秋大会だと神宮大会の4つになる。

 

今回のセンバツと選手権の中止で、浮き彫りになったのが選手たちの目標が無くなった事だが、それ以上に気になるのが悪い意味で「異常なまでの甲子園に対してのこだわり」だ。彼らにとっては野球人生に置いてのターニングポイントで活躍によってはプロ野球、大学や社会人から声がかかる可能性もあるので理解できる。

 

「体は壊れてもここで負けたら人生終わりだ」まで言い出す始末を考えると「無謀的な人間教育主義」過ぎて、選手に暴力や健康面など安全面の配慮があまりにも無さすぎた歴史を繰り返しているのが高野連と言う組織だろう。

 

甲子園が全てでは無く、甲子園以外に目標を立たさせることが出来るメニューを作るべきだが、相変わらず高野連は平成や令和になった今でも昭和どころか大正時代まで戻っていると言う朝日新聞毎日新聞によるズブズブな組織でもある。

 

②甲子園以外の大会方式 通年の全国リーグ設立

 

そこで、高野連にやってもらいたいのが通年の全国リーグの創設である。通常の他校との練習試合は非公式戦なので公式記録としては残らず、清宮のホームラン記録も通算として計算される。

 

通常のリーグ戦をやる事で記録だけでは無く、プロ野球と同じ1年を通しての戦い方を考えなくてはならないので投手陣に連投がしにくく先発完投が減る。同時にリリーフなどでエース以外の投手陣に出場機会が増えると言うメリットもある。

 

野手陣も甲子園の1発トーナメントで早い回から送りバントだけでは勝てなくなり、送りバントなしで普通に打たせたり、エンドランなどの強行策が増えるので打力と打線のアップに貢献でき、結果的に投手も野手もレベルがあるのではと見る。

 

全国リーグはディビジョン制度を導入。サッカーのように1部リーグは全国(2地区制度),2部リーグは地域、3部リーグは県内とレベルと地域別に分ける事で本当の実力を把握することが出来るだろう。

 

プロ野球のスカウト陣全員を高体連の特別委員に

 

個人的にはネットのニュースなので「ある球団のスカウト陣」と匿名で記事として掲載しているが、「選手のことを考えて球数制限導入を」「昼間だと熱中症になるからナイターで試合を」「連投してきた投手のドラフト1位指名は回避するだろう」

 

など散々指摘してきたが、匿名だとプロ野球のスカウト陣たちの駆け引き道具にされてしまうので、この際、高野連がスカウト陣を全員特別委員に任命させて、大会運営やメディカル面での助言をさせるなどの権限を与えても良いだろう。オフィシャルとして公表すればファンの人たちも納得と理解が進むので高体連の暴走の抑止力になると考えられるだろう。

 

・風向きが変わり始めた 選抜大会の代替開催

 

甲子園の意義、通年の全国リーグ戦の創設、プロ野球のスカウト陣の特別委員の就任の3つを述べてきた。だが、6月になり風向きが変わり始めてきた。

 

6月10日、選抜大会の代替試合として8月に全6日かけて交流試合として甲子園球場での開催が決まったようだ。昨年の秋大会で出場権を獲得していた32校にとっては朗報でここから逆算して最初で最後の甲子園に向けて本格的な始動になる。

 

夏の選手権の中止に伴う各県内の独自の大会も全都道府県で開催の方針になるようなので、球児たちにとっては目標が霧の中に漂っていたのが一筋の光が差し込んだ形になる。

 

今年の高校野球界にとっては21世紀に入って最大の危機と言う前代未聞のシーズンになりそうだが、球児たちにとっては特別な集大成の夏になりそうだ。

 

開催にこぎ着けてくれた高野連阪神タイガース、開催地の甲子園球場の方々にはファンとして御礼を申し上げたい。これからも古い価値観を捨てつつ、新しい価値観を躊躇なく導入してもらいたいところだ。