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AFCアジアカップ決勝トーナメント準決勝 イランの肉弾戦に耐えてスタメン復帰した大迫の2ゴールなどで決勝進出

AFCアジアカップ アラブ首長国連邦大会 準決勝

 

日本3-0イラン

カタール4-0アラブ首長国連邦

 

前半の立ち上がり10分は大迫のマークが厳しく、イランがロングボールや1vs1などを使って肉弾戦を仕掛けてきた。前半12分に原口の引き付けから柴崎にわたる。その柴崎から大迫がトップ下気味の位置から長友にスルーパスしニアサイドに南野が飛び込むなど1ついい形の攻めだった。

 

前半21分に権田がイランの得点源FWアズムンのプレスにまたパスミスからピンチになり地上戦に弱い吉田がドリブルされてシュートを打たれるもその権田が右足で防ぐ。その権田がキックミスによるあわや失点しそうな場面もあるので用心してシュミッドダニエルを次の試合で出しても考えてもいいプレーだったかもしれない。

 

お互いに互角のまま前半を0-0で終えた。日本は吉田や富安が守りつつ、遠藤と柴崎がバランスを考えながら組み立て、前線の4人が攻撃の組み立てをしながら縦に速いパスを通しながら攻めていた。イランは1vs 1やGKを含めたロングボールを使いながらDFラインの裏を徹底的に狙っており繋ぐスタイルよりも肉弾戦を仕掛けてきたのは予想通りだった。

 

後半になり思わぬ形で試合が動いた。後半10分に長友のパスカットから柴崎が大迫にタテパス。そして南野がドリブルで仕掛けてペナルティエリアの外で倒れるも主審はファールを取らずアドバンテージを取った。この時イランはファールを恐れたかノーファールをアピールしていた。だが、南野はノーファールと分かった時点でゴールラインぎりぎりでボールを拾い、右足のクロスに先にポジションを取っていた大迫がうまく頭で合わせて先制点を奪う。

 

南野の倒れ方を見るともし中東寄りの審判なら逆にシュミレーションのファールを取られてイエローをもらってた可能性でのプレーだった。だが、この試合はオーストラリアの主審だったのもあったり、目の前でしっかりと見ていたためノーファールと判定しただろう。結果的にイランの選手がプレーを止めてしまい、大迫にフリーを作らせてしまったのが勝負のアヤだったかもしれない。それくらい今回の試合は先制点が大事で、それまではミスによる失点をいかに防ぐかがかかるだろう。

 

その直後の後半18分にイランの右サイドから南野のパスカットから大迫がワンタッチで南野に渡り右足のクロスがイランの選手の左手に当たりPKをもらう。すると、今大会の準々決勝から採用されているVARがベトナム戦に続き適応された。

 

実は、グループステージ第2節のオマーン戦で原口が倒されてPKを取ってもらったが実際は原口自身が大げさに倒れてくれたり、逆に長友のハンドを取られなかったりとどちらかというと日本よりの判定が多いのが特徴なのかもしれない。準々決勝のベトナム戦でもコーナーキックから吉田が頭で決めるも右ひじに当たりノーゴール。逆に原口のパスに堂安が倒されてPKを時間差で取ってくれた。

 

VARの判定の結果イランのハンドを取りPKになった。今回の傾向を見ると少しでも腕や手に当たったらPKを取るという流れというのが分かっただろう。このPKを大迫が右足で決めて2点差にする。

 

後半45分にロングボールのこぼれ球に柴崎の縦パスが入り南野のワンタッチが原口に渡りドリブルで仕掛けて落ち着いて左足で決めて試合を決定づける3点目をあげた。

 

イランの得点源でもあるFWアズムンが最後にエキサイトしていたが、それくらい空中戦に強い吉田とコートカバーリングのいい富安が封じてくれたことが大きく、負傷交代した遠藤と攻撃のスイッチを入れるキラーパスを出し続けている柴崎がボランチとしてバランスよく整え、大迫と南野の2トップ下が攻撃の組み立てをし、サイドから堂安と原口がドリブルで切り込んで攻めるなどここにきて攻守ともにかみ合って自信をつけた上のでの決勝進出を決めた。

 

2011年以来の優勝を狙えるチャンスをつかんだが、その対戦相手は日本と同じ6戦全勝で勝ち上がってきたカタール。次の2022年のワールドカップの開催地であるが、実は今年の6月の南米選手権に招待国として出場する国同士の対戦でもある。

 

カタールの試合を見るとグループステージの北朝鮮戦で4得点したFWアルモエズ・アリがあのイランの英雄アリ・ダエイが作った大会8得点にならぶほどゴールを量産していた。注意しなければいいけないのがDFラインの裏を取ったりドリブルで仕掛けてシュートを打ってくるという点になるだろう。

 

イランと違ってボールをつなぐスタイルを取って入り、スペイン人のサンチェスHCを招へいしたあたりからこのスタイルになったと思われる。おそらくイラン戦の肉弾戦とは逆で日本の苦手な守ってからのカウンターや裏を取ってドリブルで仕掛けてくる地上戦で攻めてくる可能性が高いだろう。

 

FWアルモエズ・アリに対してドリブルなどの地上戦に弱い吉田が狙われて突破されると苦しくるなると予想されるので、今回のアズムン封じ同様にコートカバーリングのいい富安と遠藤が右大腿を痛めたため代わりにアルアインに所属する塩谷のスタメンが濃厚なためこの2人が自由にさせない守備ができるかどうかに1番かかってくるだろう。

 

サイドバックは遠藤同様にベトナム戦から疲れが見え始めた酒井に代わってウズベク戦で2得点に絡んだ室屋のスタメンが濃厚になりそうなので長友の左サイドバックからの攻めが多いので逆に室屋が仕掛けて精度の高いクロスを頭の得点ができる大迫に合わせたいところだ。

 

開幕前にボランチの守田や三竿が負傷離脱し、青山や遠藤も大会期間中にけがする中、孤軍奮闘で活躍してるのが柴崎だ。前回はチームを救うゴールをあげて注目されていたが今回はボランチとして全試合フル出場し自信の得点はないが全11得点のうち半分に当たる5得点も絡んでおり、大迫が不在の時は攻撃面でカバーしていた。

 

消耗が激しい守備面でも貢献しているとなると、もしかしたら決勝でゴールなどを上げるとスタメン出場して無失点の富安を抑えて大会MVPの可能性もなくもない活躍である。ある意味どちらでもいいほどうれしい悩みだ。

 

前線を見ると、ここまでスタメン2試合で4得点だった大迫は得点を取るだけでなくトップ下の位置まで下がってタテパスやワンタッチでのパスなど攻撃の組み立てが多いので正確にはセンターフォワードではなくトップ下の選手のタイプなのかもしれない。基本的には左サイド寄りでよく見ると原口と南野の間でポジションを取る傾向がる。

 

メディア的にはFWとし得点して見て「大迫半端ない」だけでなく、南野との「2トップ下」として扱うのが正確な情報なのかもしれない。大迫が生きているのはあくまで大迫自身ではなく2列目の3人だから、これからはワントップも2トップもなくなり「実質ゼロトップ」時代が到来するかもしれない。

 

決勝のカタール戦は大迫と南野を自由にさせない守備をしてくると予想されると逆に両サイドハーフの攻めがカギになるかもしれない。

 

この2人がうまく攻撃の組み立てをし原口や堂安、控えの武藤、北川、伊東らが体力のきつくなる後半以降に原口か堂安の交代では入った時にスピードのあるドリブルやタテのスルーパスにうまく反応しシュートに持ち込めるかが攻撃面でのカギになりそうだ。

 

もし、決勝でも勝ち優勝したら、アジアカップで最多の5回目の優勝、森保HCが日本人HCとしての初優勝、だけでなく選手とHC両方でも優勝も初のようなので、ここまで来たらコンディショニングを整えてやるべきことをやった上で初めて優勝の2文字が見えてくるだろう。

 

個人的には2016年U-23選手権兼リオ五輪アジア地区最終予選で手倉森HC率いた時以来の「オールジャパン」体制での優勝だろう。