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AFCアジアカップ決勝トーナメント準々決勝 VARのちVARでの1点をまたも守り切り準決勝進出

AFCアジアカップ アラブ首長国連邦大会 準々決勝

 

日本1-0ベトナム

イラン3-0中国

カタール1-0韓国

アラブ首長国連邦1ー0オーストラリア

 

前半はベトナムが平均年齢23歳と1番年齢が若いチームらしい前線からの守備と3バック中心の守備ブロックを引いて日本のパスを通さなかった。運動量が豊富で前がかりになったところにJ2水戸でプレーしたことのあるクエン・コン・フォンなどがスピードを生かしたドリブルで地上戦に弱い吉田を揺さぶった。

 

その吉田が前半24分にコーナーキックから柴崎のピンポイントクロスに頭で合わせて先制点も、今大会から準々決勝以降のみビデオ判定システム「VAR」が適応された。検証の結果は吉田の右ひじにあたりハンドと判定されてノーゴールになった。吉田の表情を見ると右ひじに当たった感覚があったかさえなかったので本人的には取り消されても仕方がないというとらえ方かもしれない。

 

前半38分も吉田が権田にバックパスをしたところを狙われてピンチになった。幸い権田が正面でのセーブで助かったが先制点をミスで許せば焦って人数かけてせめたところにカウンターでの攻撃をされていたかもしれないワンプレーだった。

 

前半を0-0で折り返した後半10分にワントップの北川の落としから、遠藤→原口→堂安とパスがつながり、ドリブルで仕掛けたところでペナルティエリア内でブイティエンズンとドゥアンバンハウに挟み込まれて止められるもPKの判定はなしに。

 

と、思ったら1分くらいの時間差で主審が2回目のVARが適応され、ブイティエンズンの右足が堂安の足を引っかけたという判定でPKを獲得。堂安が右足で勢いよくゴールを決めて貴重な先制点を上げた。

 

後半27分に北川からけがで離脱していた大迫が復帰した。大迫は慣れたワントップで攻撃の起点となり堂安、南野、原口らとうまく連携して攻撃を組み立てていた。数日前からフルメニューをこなせるようになり状態が上がってきたようだから、もし準決勝以降も状態次第ではスタメンもあり得そうだが、もしそうでなくても後半の頭から出て切り札として相手にプレッシャーを与える戦力でもよさそうなめどが立ってきただろう。

 

最終的に1-0で逃げ切り準決勝進出を決めた。1回戦のサウジ戦、準々決勝のベトナム戦と完ぺきな試合内容ではないが、最後の守備陣の頑張りで勝ったことは今までの日本ではなかったことだから、守備志向重視の戦い方でも勝てる手堅さを身に着けるようにしたい狙いがあるのかもしれない。

 

準決勝の相手は世界ランキング29位でアジア最上位のイラン。ここまでは4勝0敗1引き分けで来ているが得点12、失点0と盤石だ。日本は5勝全勝で来ているが得点8、失点3と弱に苦しみながら勝ち上がっているからイラン戦も苦戦は予想されるだろう。

 

イランはカルロスケイスHC体制で8年目を迎えた今大会が集大成で来ている。ロシアワールドカップを見るとアジア予選で無失点記録を作り、本大会ではモロッコに1-0で勝ち、ポルトガルには0-1、スペインには2-2の引き分けだったが、最後のワンプレーでゴールしていたら決勝トーナメント進出ができていたかもしれない出来だった。

 

FWのアズムンは長身でありながらスピードもあり中国の選手を置き去りにして得点したから地上戦に弱い吉田だけだと止められない相手なので富安のカバーリングが大事になりそうだ。ボランチとDFラインもコンパクトにラインが保っており、GKのベランバンドもセーブだけでなくロングスローからの攻撃もあり、日本にとってはカウンターも含めてイランの厄介な攻めに苦戦しそうだ。

 

今大会でカルロスHCが退任しコロンビア(3月に日本で対戦)代表に就任する報道が出ているので選手たちのモチベーションは高いだろう。1976年イラン大会以来の優勝を目指せる位置にいるのは今回が1番チャンスがあるだろうから勝敗予想はイランの勝利が多いかもしれない。

 

日本は順風満帆ではないがグループステージ3連勝して敗退した1996年・2015年の成績を超えて5戦全勝して準決勝進出は初めてだから、日本にとっては最低限のノルマは達成できただろう。早期敗退するよりはましだから、ここまで来たら勝っても負けてもおかしくないので腹をくくっていけるところまで行くというチャレンジャーで行けばイランに勝てる可能性は十分あるだろう。