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AFCアジアカップ決勝トーナメント1回戦 守備ブロックを引いて守りきった日本が準々決勝進出

AFCアジアカップ アラブ首長国連邦大会 決勝トーナメント1回戦

 

日本1ー0サウジアラビア

ベトナム1-1(PK4-2)ヨルダン

イラン2-0オマーン

中国2-0タイ

 オーストラリア0-0(PK4-2)ウズベキスタン

アラブ首長国連邦3Eー2キルギス

韓国2Eー1バーレーン

カタール1ー0イラク

 

この日はサッカー同様にテニスの全豪オープンがセカンドウィークを迎えて、4回戦のベスト16で錦織と大阪がフルセットの激戦を制し日本勢で初めて男女とも準々決勝進出を決めただけに日本も続きたいところ。

 

サウジアラビアはここ1年でボール支配率70パーセントということで初戦のトルク戦のように人数かけても守備網に引っかかってカウンター攻撃をされないように守備ブロックを引いて、逆に日本がカウンターで攻めると言うプランだったようだ。

 

森保HCが前日会見で「まずは得点も大切だが、失点しないこと。守り重視の試合をするという意味ではないが、先に失点しないことは心がけてサウジアラビア戦に臨まないといけない。」とまずは先制点を与えない守備志向重視の戦い方だった。

 

予想通りにサウジアラビアにボールを持たれてシュートを打たれるシーンはあったが中央を固めてのシュートブロックや背後を取られての1発でのカウンターを食らわないように守備ブロック重視で行ったことが勝因になった。

 

この作戦を引いたのはあのベルギー戦の失敗を繰り返したくない思いがあったと思われる。人数をかけてまえがかりになって失点するよりは中央を固めてシュートを打たれても失点しないほうがいいと判断したのかもしれない。

 

結果的にボール保持率では日本の29%vsサウジの71%という展開になったが、前半にコーナーキックから富安が頭で決めた1点を守り抜いて2度目の1-0での勝利になった。シュート数でも5-15になったが、枠内シュートでは2-1で勝ってたから枠内にシュートを打たせなかった守備陣の勝利でもある。

 

フランスやドイツなどの世界ランキングの1桁チームに勝つには普通に戦ってもやられるだけなのであえてボールを持たせて前がかりになったところでカウンターで点を取るという戦い方もこれから必要になるということを再確認した試合でもあった。

 

次の準々決勝で対戦するのはヨルダンに勝ったベトナム。今の体制を見ると以前は日韓W杯でヒディンクHC(韓国代表)のもとでコーチ経験がある韓国人のパク・ハンソHCが就任してから実績を残すようになってきた。

 

昨年の1月のU-23選手権で準優勝、8月に開かれたアジア競技大会のグループステージで日本(U-21)に1-0で勝って最終的には4位になった。12月に東南アジア選手権(スズキカップ)で優勝し自信をつけてきたようだ。

 

グループステージは初戦のイラクに2-3、第2節のイランに0-2で敗れるも第3節のイエメンに2-0で勝ち1勝2敗の3位に。今回から3位グループの4位までに入れば通過できるようになりベトナムレバノンと勝ち点、得失点差、総得点でも並びフェアプレーポイント(反則ポイント)の差で4位に入り決勝トーナメント進出を決めていた。

 

決勝トーナメント1回戦のヨルダン戦を見ると、この体制になって韓国仕込みのフィジカルを取り入れるようになり、走って粘り強く勝つスタイルを目指しているようだ。昨年のアジア大会では日本相手に1-0で勝てたのは日本の弱点でもある守備ブロックを引いて守り、前がかりになったところに裏を狙ってカウンター攻撃がうまくいったことだろう。

 

最終的にはGKのバックパスからの得点だったが全体のスタッツでも快勝だったから気が抜けない相手でもある。

 

パク・ハンソHCが「守備的サッカーも悪くない」とこの試合も5-4-1で機能している。初戦のトルク戦同様に引いて守られて苦戦することが予想されるから、攻撃陣がドリブルからチャンスを作って先制点を上げることがカギになりそうだ。

 

日本のメンバー構成を見る限り1番外せないのはセンターバックの富安とボランチの遠藤のシントトロイデンのコンビになりそうだ。

 

富安は今のところミスが少なくロングフィードなどのキックの精度や苦手な頭でのゴールを決めており2年後の東京五輪を見据えるなら決勝まで使って成長させたほうがよさそうだ。

 

遠藤はボール奪取率が高く、奪ってからのパスが速いので消耗が激しいポジションだが発熱の出遅れでスタメンは2試合だけだからこちらも決勝まで行けそうだ。

 

GK権田と右サイドバックの酒井はイエローを1枚持っているのでシュミッドダニエルと室屋がスタメンの可能性があると見る。センターバックの吉田と左サイドバックの長友も3試合スタメンでベテランのため三浦と佐々木もありえる。

 

また、ボランチの柴崎もキックの精度は1番だから外しにくいがスタメンで 3試合ともフル出場なため、ウズベク戦でゴールを決めた塩谷で最初に行き、後半から柴崎の投入がいいかもしれない。

 

前線だと武藤が出場停止でイエローを1枚持っている堂安と南野はスタメンとして出ても北川や伊藤でカバーできるが、けがから復帰を目指している大迫は状態次第ではこの試合も出れない可能性だとセンターフォワードの控えがいなくなる。

 

ウルトラCではあるがセンターバックで使い物にならないお調子者の槙野をFWとして後半の終盤や延長などでセットプレー要員としての起用も考えても面白いかもしれない。

 

今大会からベスト16が創設されたが、早くも半分が延長戦とPK戦までもつれただけに準々決勝も最後までもつれる展開が繰り広げることは間違いないだろう。