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AFCアジアカップグループステージ第2節 帳尻合わせや幸運な判定と来たら次はターンオーバーで2位通過狙い

AFCアジアカップ アラブ首長国連邦大会 グループステージ第2節

 

グループA アラブ首長国連邦2-0インド

                 タイ1-0バーレーン

グループB ヨルダン2-0シリア

                  オーストラリア3-0パレスチナ

グループC 韓国1-0キルギス

                 中国2-0フィリピン

グループD イラン2-0ベトナム

                  イラク3-0イエメン

グループE サウジアラビア2-0レバノン

                 カタール6-0北朝鮮

グループF 日本1-0オマーン

                 ウズベキスタン4-0トルクメニスタン

 

前半は内容が改善されていた。トップ下の南野の動きがよく縦に速いパスが通りチャンスメイクや決定的なチャンスを作っていた。原口が倒されてPKのシーンはオマーンの選手が足ではなくボールに行っていたが倒れ方が大げさだったためPKを取ったと思われる。

 

オマーン戦の主審はマレーシア人で日本にとっては縁のある国の主審だった。それは伝説して語り継がれている。2004年の中国大会準々決勝のヨルダン戦でPK戦までもつれた際に左エンドでしたが当時ピッチがスリップしてたため中村俊と三都主が大きく外してしまった。

 

これを見ていた宮本キャプテンが主審に反対サイドのエンドでのPK戦を申し込んだら承諾して実現させることに成功した。結果的に川口の2度のスーパセーブなどもあり逆転で準決勝進出した経緯があった。宮本キャプテンはのちにFIFAマスターを取得したが、英語での会話力が無かったらとっくに敗退してたであろうファインプレーだった。

 

原口のPKで先制して前半を折り返したが、北川に変わった武藤がワントップに入ったが返って流れを悪くさせたと思われる。北川は南野と2トップを組むイメージだったが、武藤は裏への飛び出しがほとんどでドリブルして持ち込んでも長友にパスするなどワールドカップポーランド戦同様のプレーになってしまった。

 

ボランチの遠藤が発熱して合流が遅れたが今日のスタメンに合わせてきたようだ。浦和だと3バックだったが、リオ五輪の代表からボランチとして出ていた。ボール奪取が優れていて、そこから速い縦のパスからチャンスを作り出していたから調子は良さそうだ。

 

槇野をベンチにしてボランチから本来のセンターバックでのスタメンに富安は後方からのロングフィードがよく、前線の選手にワンチャンスを作れていたからDFラインの選手は足元の技術も必要になるだろう。

 

日本が2連勝で決勝トーナメントを決めたが、今大会の焦点は優勝することよりも準決勝に進出することができるかになりそうだ。1位通過だと決勝まで毎回違う会場でやらなければならないが、2位通過だと準々決勝までアルアハリで準決勝と決勝はアブダビと移動が少ない。

 

そのかわり、1位通過だと決勝T1回戦でグループEのカタールサウジアラビア、2位通過はグループB2位のオーストラリアになるが、準々決勝だと1位通過はそのオーストラリアに勝ったヨルダン、2位通過だと開催国のアラブ首長国連邦になると予想される。

 

どちらかと言うと、開幕前に森保HCが話していた2位通過がいいかもしれない。相手も絶好調ではないアーノルドHC率いるオーストラリア、ザッケローニHC率いるアラブ首長国連邦の方がいいかもしれない。

 

逆に今大会無失点で好調のヨルダン、力をつけ始めている次のワールドカップの開催地であるカタールサウジアラビアと当たった方がむしろやりにくく苦戦するかもしれないのでそちらがいいかもしれない。

 

ウズベキスタン戦は北川以外がターンオーバーでの出場が濃厚のようだ。この試合でアピールして欲しいのは仙台のGKシュミッドダニエル。追加招集された塩谷、乾、武藤辺りになりそうだ。

 

結果的に言えば最低限引き分け以上であれば十分な3試合目となってきそうだ。

 

 

AFCアジアカップグループステージ第1節 日本がまたしても帳尻合わせでトルクメニスタンに辛勝

AFCアジアカップ アラブ首長国連邦大会 グループステージ第1節

 

グループA アラブ首長国連邦1-1バーレーン

      インド4-1タイ

グループB ヨルダン1-0オーストラリア

      シリア0-0パレスチナ

グループC 韓国1-0フィリピン

      中国2-1キルギス

グループD イラン5-0イエメン

      イラク3-2ベトナム

グループE サウジアラビア4-0北朝鮮

      カタール2-0レバノン

グループF 日本3-2トルクメニスタン

      ウズベキスタン2-1オマーン

 

今大会から16か国から24か国に出場枠が拡大した。ワールドカップに出場していた国のチームが敗戦するなど波乱含みのスタートになった。

 

仙台で指揮したことがあるアーノルドHC率いるオーストラリアがヨルダンに完封負け、札幌のチャナティップや広島のティーラシンなどJリーグに所属することが増えたタイがインドに大敗し指揮官が解任されるという緊急事態に。韓国と中国もフィリピンとキルギスに勝つも1点差。ウズベキスタンイラクも1点差と初戦の難しさを痛感する第1節になったが、それ以上に気になったのは日本の試合という皮肉なのかもしれない。

 

開幕前の合宿でけが人やヨーロッパ組が直前になって合流するなど「全員での練習が少なかったと」森保HCが語ったが、その変わった選手どころか既存のメンバーも出来が悪かったのが正直なところかもしれない。

 

トルクメニスタンは直近の試合で2試合しか公式記録がなかったので日本は対策しようがなかったが、守備ブロックを引いて中央を通さないようにしまえがかりになったところにスピードのある前線の選手が速いドリブルを仕掛けてカウンターで点を取るというスタイルだった。一言でいえば、日本の弱点を突いた完全なる日本対策であった。

 

一番不安なのはボランチの不調によるセンターバックの組み合わせが最初から間違っていたことだ。吉田はロンドン五輪以降A代表に定着していたが、サウサンプトンの試合で見ると空中戦には強いがドリブルなどで1vs1を仕掛けられる地上戦だとあっさりと交わされたりする弱点を持っていると感じた。その弱点をワールドカップでカバーしていたのが1月早々にフランスのトュールーズに移籍した昌子だったが鹿島が参加していたクラブワールドカップと移籍の準備に伴い今回の招集が見送られていたことだろう。

 

もっと誤算だったのはボランチの守田がけがで離脱、さらに青山や遠藤のコンディション不良などで本来センターバックで吉田と組むはずだった富安がボランチに回り、控えでワールドカップで使いものにならないと分かっていたはずの槙野を使わらなければならない展開にしてしまったことだろう。ひどい言い方になるが、初めからセンターバック向きのプレーの仕方やいい守備して湘南の選手に対してガッツポーズするなども含めてそういう性格でもなかったということだ。浦和がタイトルを取り切れてない原因はまさしく「お調子者の槙野」だから初めからこのポジションで間違いだった。TV出演でジュニアやユース時代はFWだったがライバルがきっかけでDFになってしまったのがオチのようで初めからストライカーをやっていればいい話だった。

 

トルクの先制点の前に吉田が1vs1で突破されたのを怖がったか酒井宏と柴崎も下がっていった瞬間にアマノフに強烈な右足でのミドルシュートを決められてトルクが先制した。この時に近くにいたGKの権田か森保HCが指示すればよかったが、それもなかったので完全な様子見での油断だった。だが、近年にJリーグでスペイン志向が強まりショートパスが多くなった半面、豪快なミドルシュートが少なくなった名残もあったと考えられる。国際試合ではミドルシュートも含めたセットプレーでの1発も欲しいということだろう。

 

後半に入りサイドチェンジなどの工夫がみられるようになり大迫の2ゴールと堂安の技ありのゴール(小野を抜いてアジアカップでの最年少ゴール)などで15分間で3得点を安全圏に入った。だが、南野に代わって入った北川が中盤でボールを奪われ弱点の吉田と槙野の間にタテパスを入れられ権田が倒してPKで1点差にされた。

 

北川は32試合で13得点。シュート決定率228と小林や杉本など他の代表選手と比べて高い決定率で選ばれたようだが、清水ではドウグラスと2トップで組んでいたようなので大迫のようなワントップでのプレーはさせないようにするべきだろう。

 

何とか日本が1点差で勝利したが、けが人や不調組、さらに弱点をさらけ出す格好での勝利だから他の国のスカウティングは徹底して突いてくるので勝機があるとみられる可能性があるだろう。

 

ロシアワールドカップもコロンビア戦でのレッドカードが試合開始早々になかったら日本は敗退していた可能性もあっただろう。むしろ日本は幸運で帳尻合わせをしている感が強く、準決勝以降で優勝候補の韓国やイラン、さらに日本が1位通過した場合は1回戦でカタール、準々決勝でオーストラリアに勝ったヨルダンと当たる可能性があるだけに苦戦するのが予想され、1試合多くなったことも考えると最後まで持たない可能性もあるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

ベガルタ仙台が初優勝するには守備力・ラストパス・意思統一の3つ

2019年 ベガルタ仙台の布陣 現時点での予想 

 

システム 3-4-3(3-5-2)(3-4-1-2)

 

GK シュミッドダニエル (関) (川浪)

DF 常田 (金正也)

DF 大岩 (照山)

DF 平岡 (シマオマテ)

DF/MF 石原崇 (関口) (永戸) 

MF 椎橋 (富田)

MF 松下 (兵藤) (田中)

DF/MF 飯尾 (蜂須賀) (道斑)

MF/FW 石原直 (リャン) (吉尾)

FW ハモンロペス (阿部)

FW 長澤 (ジャーメイン) 

 

Jリーグは全日程が終わり各チームの契約更改と補強が進み、新年が明けて早くも新体制が整いつつある。

 

リーグ戦は13勝15敗7引き分けで11位、ルヴァン杯はグループステージ1位通過もプレーオフ敗退、天皇杯は初めて決勝進出とベストではないがベターなシーズンになった。

 

ベガルタ仙台的 ドラフト会議 指名順(内定含む)

 

1位 長澤 センターフォワードガンバ大阪

2位 石原崇 左ウィングバック 松本山雅FC

3位 松下 ボランチ ヴィッセル神戸

4位 兵藤 シャドーFW コンサドーレ札幌

5位 飯尾 右ウィングバック Vファーレン長崎

6位 シマオマテ センターバック 元レバンテ

7位 吉尾 シャドーFW 横浜Fマリノス

8位 道渕 シャドーFW ヴァンフォーレ甲府

9位 田中 ボランチ 桐生第一高校

10位 照山 センターバック 成立学園高校

 

即戦力候補 上位6人

将来性重視 下位4人

 

プロ野球のドラフト会議に例えれば、即戦力と将来性の若手をバランスよく指名し獲得したことで的確な補強が上手く行った。

 

主力組の流出があったが丹治強化部長は攻撃志向が強い選手を放出し、渡辺HCが要望していたハードワークが出来る守備志向とラストパスが出来る選手を獲得したと思われる。

 

神戸の長澤はガンバ大阪で途中出場ながら10ゴールした実績があるのでスタメンとベンチスタートのどちらでもいけるタイプだろう。どちらかというと王道型の高さでのゴールよりもワンタッチゴーラーのようなのでサイド攻撃が多い仙台はウィングバックの正確なグランダーのクロスか速めのアリークロスの方がいいかもしれない。

 

松本山雅の石原は左ウィングバックとシャドーでの起用でスピードもあるようだ。中野が札幌に移籍することから仙台では左ウィングバックで起用されると思われる。

 

神戸の松下は2017年まではレギュラーだったがイニエスタや三田の加入で出場機会が減ったため移籍したようだが、ボール奪取率の高さとラストパスが持ち味のようなので椎橋とボランチとして組まれそうだ。

 

札幌の兵藤は中野との人的トレードのようで、こちらも出場機会が減って悩んだ末に移籍を決めたようだ。兵藤はかつて在籍していた平山、水野、増嶋と「谷間の世代」と言われた2005U-20W杯のメンバーの1人であったが、FC東京の梶山も引退したことから事実上の最後の砦でもあるからトップ下かボランチでの起用になるだろう。

 

当時は本田よりもむしろ彼らが評価されていたからサッカー協会はなぜ彼らが定着できなかったかを検証するべきだった。この時の成績はベスト16だったが0勝2敗2引き分けで未勝利で敗退したから、昨年のワールドカップでコロンビア戦で引き分け以下だったら、もしかしたら同じ成績で敗退していたかもしれない。

 

新年になって、長崎から飯尾を獲得したが仙台を退団後2年間在籍していた丹治強化部長の人脈で獲得したかもしれない。古林が湘南に移籍し、蜂須賀がケガをしたため右ウィングバックを獲得した。

 

シマオマテはモザンビーク出身でスペインのレバンテでのプレー経験を持っているようだが、その後アラブに移籍し現在は無所属(フリー)なため確定ではなく内定のようので即戦力候補だがすぐにではなさそうだ。

 

吉尾と道渕は若手枠で獲得したようで、吉尾は横浜FMユース出身、道渕は仙台ユース出身であったが出場機会を求めての移籍のようだ。2人ともサイドでドリブルからの攻撃が持ち味のようでスタミナ面が評価されればウィングバックでの適正次第では起用される可能性もありそうだ。

 

新卒ではボランチの田中とセンターバックの照山を獲得した。大卒の獲得はなかったが、高卒の獲得で将来性のある選手を獲得した。

 

懸念材料は自分たちの目標や評価を過大になり過ぎる事や怪我人を増やさないことだろう。渡辺HCが「2位じゃダメ何です。天皇杯の決勝で感じたのでタイトルが欲しい」と言っていた。

 

だが個人的にはリーグ戦も含めてまだ上位進出の種まきが少ないから「3歩進んで5歩下がる」よりも「1年で1歩上がって0歩下がらない」チーム作りをすることがベストでありベターでもあるから自分たちのサッカーを過大評価するべきではないだろう。

 

カップ戦の天皇杯Jリーグのどちらか1つ優勝と得点45、失点40をベースに目指しリーグ戦は一桁順位を達成すれば上位進出の準備が出来るかどうかが焦点になりそうだ。そのためにはインターセプト最下位の守備と決定力を上げるためのラストパスが必要になる。

 

新チームリーダー候補だった生え抜きの奥埜がセレッソ大阪に移籍したためリャン、関口、富田のベテラン勢が精神的柱になるが、ピッチ上のチームリーダーは大岩になりそうだから彼らがリーダシップを持ってチーム全体の意思統一ができるかどうかがカギを握りそうだ。

 

 

 

 

天皇杯・決勝 浦和にも鹿島の血を引くものがいた!

第98回天皇杯 決勝 埼玉スタジアム

 

浦和レッズ1-0ベガルタ仙台

 

浦和レッズが12年ぶりの天皇杯優勝を決めてアジアチャンピオンズリーグの出場権を獲得した。

 

前半の13分にコーナーキックから宇賀神がボレーシュートを決めて先制した。日本代表の山口(C大阪)がアジア地区最終予選のイラン戦で終了間際に右足のボレーで決めて勝ったがそれに近い感じでGKシュミット・ダニエルも間に合わない左上に決めた。

 

前半、天皇杯で3試合連続ゴールのジャーメインは浦和の徹底マークに会いシュート0になってしまった。リーグ戦のアウエーでの川崎F戦でもマークに遭いシュートを打てなくてチームが0-1で敗れたゲームと同じ展開になったようでマークされても外すか強引なドリブルで突破するかの工夫が来季以降の課題かもしれない。

 

ポストプレーがうまい石原も他の選手との距離感の問題もあり中々ボールが収まらない展開が続くことが多かったがそれ以上に驚いたが「いつからそんなチームになったんですか?」と言いたいぐらいに守備力を改善してきた浦和レッズである。

 

前任のペドロビッチHCのようにもっとパスサッカーをしてくるのかなと思ったら「それは過去のこと」と言わんばかりの前線からの守備と守備ブロックを作り仙台の攻撃を封じたことだろう。

 

鹿島時代に2回優勝を経験しているオリベイラHCになってから守備が改善されリーグ戦は5位まで上がることに成功した。天皇杯でも4回戦以降は無失点で失点は3回戦のみだった。「鹿島の血を引く人がここにもいた」のはこういうことかと改めて感じた決勝でもあった。

 

広島の森保HC(前任ペドロビッチHC)、川崎の鬼木HC(前任風間HC)、鹿島の大岩HC(前任セレーゾHC)、そして浦和のオリベイラHC(前任ペドロビッチHC)といい攻撃の形を残しつつ守備思考の指揮官を招聘するチームが優勝しているからこれからフロントがやるべきチーム作りのお手本にするべきだろう。

 

 

 

 

天皇杯・準決勝 天皇杯で初めてのみちのくダービー モンテディオ山形を下し初の決勝進出 

天皇杯 準決勝

 

ベガルタ仙台3-2モンテディオ山形

鹿島アントラーズ0-1浦和レッズ

 

準決勝で初めて実現した山形とのみちのくダービーは打ち合いの末3-2でベガルタ仙台天皇杯で初めての決勝進出を果たした。

 

先制点を取る前に右サイドから古林が攻めて石原が決めたがゴール前にいた中野がシュートを交わしてゴールに関与したとして副審の判定がオフサイドになり幻になった。その直後の最初のプレーで左サイドから中野のクロスにジャーメインが左足で合わせて正真正銘の先制点を奪った。

 

この試合で1ゴール2アシストのジャーメインはリーグ戦では18試合でスタメンが5試合のみの3得点だったが、J1第34節の神戸戦では右足で決めていたが山形も1vs1でくっついていただけに身体能力の高さをみせた。また、持ち味でもあるドリブルもエリア内に侵入するなどスピードを見せたから同じドリブラータイプの西村が抜けたため仕掛けることができる選手がいなかったので貴重な人材である。

 

4回戦の横浜FM、準々決勝の磐田戦に続いて3試合連続のゴールなったことに渡辺HCは「足回りの技術的な部分が飛躍的にここ数ヶ月で改善された。毎日居残りでコーチ陣がつきっきりでやってくれた成果のたまものだと思う。」「天皇杯は彼はだいぶ点をとって貢献している。調子に乗るやつなので最後も調子に乗せていかせようと思う」と語ったように決勝でお調子者の浦和にもゴールを挙げることができたら来年はスタメン争いができそうだ。

 

2点目の追加点を決めた矢島はボランチとして出場した。実は3-5-2から矢島をボランチにして椎橋と組んで3-4-3にしたことが勝因に挙げられる。渡辺HCは「3-4-3にしたのは相手の予想を外す狙いでウィングバックの背後を取りやすいという分析もあったので徹底して狙った。もっとテンポよく球を動かして質を高めればもっとチャンスを作れた。」と語った。

 

矢島は「役割がはっきりしていた。椎橋がセカンドボールの回収を引き受けて自分は前に関わることができてバランスはよかった」と言っていた通り攻撃志向の矢島と守備志向の椎橋の2人でうまく連携できたことだろう。1ボランチにして2人をインサイドハーフにしていたがボランチの負担が大きく、中央のバイタルエリアをうまく使われて失点するケースが多かったと考えられるから2ボランチにしたほうがよさそうだ。

 

3点目の平岡はジャーメインの折り返しに右足で押し込んだ。山形に1点を返された後だっただけに貴重な追加点になった。

 

守備面は2失点したが山形がうまく仙台の弱点を突いたと思われる。1点目は右サイドからのアーリークロスで阪野が頭で合わせた得点。試合前日の記事で「仙台はハイボールに強いからスピードを生かしたカウンターで攻めていけば勝機はある」と見ていたようだ。

 

仙台の3バックは板倉、大岩、平岡と身長が高いのでハイボールに強いがカウンターでスピードのある選手にやられるのが弱点だろう。それと同時にアーリークロスにも弱点がありたびたび失点していたからしっかりと山形がついてきたということになる。

 

2点目はマイボールからGKのシュミッド・ダニエルのキックに野津田が競り負けてこぼれ球に阪野がチップでゴールを決めた得点だった。仙台はポゼッション型になったためマイボールから奪われて失点するケースが増えた。特にこのサッカーの弱点は横パスをカットされるとあっという間にカウンターされて失点するシーンは日本代表でも見られたので注意しなければならない。後半、仙台は山形に押し込まれるシーンが多くなりコーナーからあわや山形の同点の場面でシュミッド・ダニエルのセーブに助けられたが競り負けたのは野津田だっただけにカウンターのポストプレー役に徹したほうがいいかもしれない。

 

仙台が3-2で逃げ切りクラブ初の決勝進出を果たした。その対戦相手は鹿島に勝った浦和レッズ。近年は「ジャパニーズオンリー」や先日仙台でのリーグ戦での試合前のイベントを応援歌で妨害するなどクラブとサポーターも含めてお荷物からお調子者になってしまったたが、「こんなチームを蹴落として優勝してくれ仙台」ときっと全国からの応援があるはずだからその力も借りて決戦の地、埼玉スタジアムに乗り込んで力を出し切りたいところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

J1参入プレーオフという入れ替え戦が面白い

J1第34節(最終節) 残留争い

 

川崎フロンターレ2-1ジュビロ磐田

名古屋グランパス2-2湘南ベルマーレ

鹿島アントラーズ0-0サガン鳥栖

横浜Fマリノス1-2セレッソ大阪

 

J1参入プレーオフ 

 

1回戦 大宮アルディージャ0-1東京ヴェルディ

2回戦 横浜FC 0-1東京ヴェルディ

 

J1第34節が終わり残留争いが1つ決着がついた。ジュビロ磐田が先制するもコーナーキックから追いつかれるとその後も攻められオウンゴールを許し逆転負けで参入プレーオフに回ることになった。

 

名波HCがホームの名古屋戦を前に「名古屋を残留争いに引きずり込ませる」と言った途端に1-6で敗戦。どうやらこの試合が最後の最後で響いたようでやべっちFC時代の解説から「上から目線」のような言い方が多かったのが気になったが仇になったようだ。日本代表の10番を背負う逸材だったが指導者となりジュビロ磐田を立て直し1桁順位まで行ったが16位という結果に終わった。

 

怪我人も多かったが、疫病神になってるのが川崎に復帰したが夏に移籍した大久保。この人もトラブルメーカーで2003年の東アジアカップでのレッドカードが印象的だったが、その後はJリーグでの得点記録やワールドカップに出場した。

 

同じ記録を持つ佐藤寿と比べると案外シュートを多く打ってもゴールができないタイプで仙台でのプレー経験がある佐藤寿(現名古屋)は1本のシュートを大切にするタイプなので勝負所の決定力がないのが真実だろう。最近は大久保が移籍した後のチームが躍進し逆に加入後成績が低迷するようだから大久保の性格が自分勝手なところがあるからだろう。

 

最終節でJ2の6位から逆転で昇格してきそうなのが東京ヴェルディだ。ロッティーナHCがスペインスタイルを取り入れて2年目だが浸透して勝ち上がってきただろう。日本についての指摘も的確でこのような指導者がJ1の舞台で見たいのがファンとして気持ちが強い現状にある。

 

ジュビロ磐田が逆転負けをしてるだけに東京ヴェルディからしたらチャンスなのは間違いなから先制点さえ奪えれば相手が焦るので裏を取ってカウンターなりセットプレーでの得点がカギを握るだろう。

 

やはりJリーグももう一度J1にプレーオフを入れるべきで戦力や戦術の完成度だけで決まりやすいリーグ戦だと特定のチームしか優勝争いが出来ないので首脳陣やフロントの力が必要な短期決戦の導入の再検討を求めたいと思ったのである。

 

今後のベガルタ仙台は1桁順位とカップ戦優勝を目標にすべき

前半戦 7勝6敗4引き分け 勝ち点25 得点20 失点26 7位

後半戦 6勝9敗2引き分け 勝ち点20 得点24 失点28 

合計 13勝15敗7引き分け 勝ち点45 得点44 失点54 11位

 

ルヴァン杯 プレーオフステージ敗退

天皇杯 準決勝進出

 

Jリーグは全34試合が終わって川崎がリーグ2連覇、ルヴァン杯は湘南が優勝し、天皇杯は準決勝と決勝を残すのみとなった。

 

仙台は目標としている5位以内を目指したが最終節を待たずして可能性がなくなった。

 

個人的には1桁順位にさえ入れば来年はアジアチャンピオンズリーグが狙える3位か繰り上げでの可能性のある4位以内につなげると言う展開にしていけるかだろう。

 

2014年にグラハム・アーノルドHCをフロントが招聘したが低迷し、渡辺ACが昇格する展開になった。2016年までは堅守速攻型だったが、そのオフの練習から3-4-3を取り入れるようになりポゼッション型のポジショニングサッカーを目指すようになった。

 

2016年まではリーグ戦も12位が最高で、ルヴァン杯天皇杯も早期敗退が多かった。

 

2017年に長崎でGMをし、ブランメル時代から支えてきた丹治強化部長が仙台に復帰してから流れが変わり始めた。

 

石原、阿部、野津田、板倉、金、中野、古林、永戸、関口、矢島、ハーフナーマイク、ハモンロペスと出場機会に恵まれなかった選手をレンタルなどで獲得し次々と戦力アップに成功させたことが大きい。逆に生え抜き選手も同様で佐々木、茂木、小島、藤村、差波らをJ2やJ3に放出させて武者修行をさせた。

 

また、ワールドカップもあり5月にかけて公式戦15連戦だったためルヴァン杯でユース選手をスタメンにして主力選手を休ませるなど先を見据えた起用法など手腕を発揮させたから強化部長やGMこそが本当の監督である。

 

これに渡辺HCがオフシーズンにヨーロッパでの試合やクラブを訪問し参考にして戦術などを落とし込んだ成果が現れて少しずつチームの成熟度が上がってきた。

 

この目標(5位以内)にするきっかけになったのはルヴァン杯の準決勝で対戦した川崎戦だろう。第1戦は3-2で勝利したが0-2で敗れ準決勝敗退した。上位との差が見えたところでこの目標にしただろう。

 

ただ、2011年に4位、2012年に2位と手倉森前HCの時以来2桁順位が続いていたので、戦力と資金力が基本的に乏しい仙台はまず1桁順位を達成してから6位以内(Aクラス)やACLが狙える3位や4位を目指すべきで、個人的にはこの体制で1桁したことがないのに目標設定が過剰だと思った。また、5位は賞金がなく4位までないので基本的にこの目標に意味があったのかは疑問だ。

 

それを感じたのが9月の5試合勝ちなしと鹿島戦だった。選手たちのコメントも原因を突き詰めるよりも精神面(メンタル)が原因だと述べることが多くなってきたのが気になった。

 

確かにそれでいいが、原因の本心を突き詰めないと上位進出は無いわけで、最近になり負けた原因をメンタルにするのはむしろ本質から逃げているように見え始めたのが正直なところ。

 

あえて、言えばボランチで、リーグ2連覇した川崎に中村憲や大島や守田、アジア王者になった鹿島にはレオシルバや三竿や小笠原、リーグ戦9連勝したガンバ大阪に遠藤や今野がいることが分かる。

 

仙台は奥埜、富田、椎橋もいるがここが来季以降の補強ポイントになりそうだ。富田がベテランになりフル出場が難しくなるため、東京五輪世代の板倉が残って椎橋とボランチを組んで常田か3バックが出来るセンターバックを補強して、それができると攻撃思考がある奥埜をシャドーとして野津田と組んでも面白そうだ。

 

川崎の得点が落ちても守備が改善されたことがリーグ2連覇できた要因だから、仙台は得点を50、失点を40にして得失点差10を基本線にして主力選手の引き留めなどの補強策を丹治強化部長が出来るかにかかってくるだろう。

 

戦力や戦術面での完成度が反映されやすいリーグ戦よりも仙台の当面の目標はリーグ戦1桁順位とルヴァン杯天皇杯のチームタイトル獲得だろう。